K.F.W REBUILD ORDER SHOW CASE  リビルド・オーダー・ショウ・ケース

Lamiglas   7'6"  #4   3p    

  の場合。

     


※リールは装着参考例

最近のオーダーで仕上げたリビルド・オーダー・ロッドをちょっと紹介しましょう。
眠っていたロッドを、文字通り「生まれ変わらせる」リビルド・プログラム。

今回の依頼は、ガイドのみを再使用し、それ以外のパーツは全て新たにオーダーするというコース。
K.F.W
オリジナル・ビルドLamiglas ・7th Anniversary model 「 Premi-Lam 7'0" 2p #3 風に、というオーダーである。
グリップ、リール・シート、ワインディング・チェック、フェルール・チェック、フック・キーパーは工房がワン・オフで製作する。

工費が\16,000-、パーツ代\17,300-(運賃別途)、〆て\33,300-のメニューである。
コレを高いとみるか、安いとみるか、或いは相応と見るか。価値観は人それぞれ。
趣味のドウクである以上、必要最低限の機能を満たしていれば、あとはアクマで個人の好みや趣向、価値観のモンダイなのである。言い換えれば「満足度」の問題と言えようか。

個性の強いモノほど、スキ・キライははっきり分れるモノである。
ソレを承知の上でワタシはロッドを巻く。
判るヒトが解ってくれれば良い、その信念である。

ま、ご覧下さい。

コレは手を加える前の状態。

どこかのショップのオリジナル・ビルド・モデルであろうと思われる。
グリップ・トップから少し上の部分までは、部分的に後から手を入れた形跡があり、塗膜の荒れなどが見られる。
オーナーによれば、グラス特有のユッタリ感が乏しく、実際の釣りには一度使用しただけで眠っていたロッドだということである。
今回、工房7周年記念としてリリースしたモデルに惚れ込んで頂き、ソレ風のルックスで、ということと、フィーリングとしてもう少しユッタリ感を出せればというご希望である。

確かに現状だと、ラミ特有の軽快感は良いとしても、張りの強さが勝ち気味でグラスとして考えると好みは分かれるアクションである。
さて、これをどの程度まで変えられるかがポイントである。
当然、ブランクのアクションそのものは既にデザインされた時点で決っているものなので、基本的な特性は変えられるものではない。小技を色々効かせ合わせワザで、トータルとしてある程度のフィーリングの変化を導き出す事を目指すのである。

フルでパーツを一新するとなれば、手っ取り早くガイド数を1〜2個増やすのが特効的に効果があるが、ガイドは旧パーツをそのまま再使用するメニューである。当然、ガイド・ポジションもそのままとなる。

それ以外でアクションのフィーリングを変化させる手を考えなければならない。
となると、装着するパーツや、ラッピング部分のコーティングなどによる総合的なバランスの変化で「違い」を導き出すことになる。
スパインの見直しも加える必要がある。
魚を掛けた時、楽しめるアクションと考えて設定を見直す。
3ピースなので、バット・セクションは張りを活かし、ミドルとティップはソフトさを活かすセッティングとしてスパインを使う。

あとは、装着するパーツやコーティングの重さを効果的に利用してフィーリングを変えてゆく。

さて、どう変わるか。

Photo gallery

※各部の詳細は下の画像をクリックしてご覧下さい。↓解説有り。

さて、どの程度フィーリングの変化を生む事が出来たか?

単純に、グリップやリール・シートが変わっただけでも、実際にロッドを振ってみると随分と違って感じられるものであるが、更に、今回はスパイン、2か所のフェルール・チェック、ラッピング&コーティングと、可能な限りの方法を講じている。
結論から言うと、予想していたよりもハッキリと感じ取れる変化が生まれた。
実際にラインを通して振ったわけではないが、ロッド・ビルディングも20年近くやっていれば素振りだけでもある程度のことは十分に判るというものである。

ブランクに重いものが装着されれば、慣性モーメントの作用でロッドはより「しない」易く、スローなフィーリングに近付いてゆく。
フェルール・チェックと、通常より厚めに掛けたコーティングのウェイト、スパイン使いの見直しの効果が十分に発揮されたようで、小さなモーションで良くしない、グラスらしくユッタリとティップが返るフィーリングである。

見返りとして、ロッドの自重は増加しているものの、ウェイト・バランスはグリップから下にきているので、実際には振り重りを殆ど感じないのである。

これは、予想以上にイイ出来になった。

完成したロッドを受け取ったオーナーにも、とても喜んで頂けたことである。

※このロッドの問い合わせはメールでどうぞ。